2015年度「エネルギー研修会」を開催
【作成日:2016年05月30日】
核燃料サイクル・放射性廃棄物の埋設処分について学ぶ!
~東海第二発電所・核燃料サイクル工学研究所を視察~
5月23日(月)、九州電力総連研修団14名による「2015年度エネルギー研修会」を、茨城県東海村の「東海第二発電所(日本原子力発電株式会社)」並びに「核燃料サイクル工学研究所(日本原子力研究開発機構)」にて開催した。
今後、政府より年末に発表される予定の「高レベル放射性廃棄物の埋設処分に適する科学的有望地」に関し、発表後、国民的議論が想定されることから、電力関連産業に携わる労働組合役員として、高レベル放射性廃棄物の埋設処分に向けた正しい知識を習得し、今後の理解活動への一助とすることを目的に、最新の取り組み・研究がなされている原子力関連施設の視察を計画した。
最初の訪問施設である「東海第二発電所」では、日本で福島第一原子力発電所とここ東海第二発電所にしかない「乾式キャスク(ドライキャスク)貯蔵施設」の視察を実施。使用済燃料を再処理するまでの間、一時的に保管する設備であり、自然換気による冷却が可能であることから電源喪失などによるリスクもなく、東日本大震災で発生した津波でも、福島第一原子力発電所の乾式キャスクに影響はなかったことから、十分な安全性を有していることを確認した。
また、次の訪問先である「核燃料サイクル工学研究所」では、確立された高レベル放射性廃棄物の埋設処分技術について、更なる信頼性向上を目指し研究が行われており、実際の地質環境への地層処分技術の適用性確認と地層処分システムの長期挙動の理解という2つの領域で研究開発が進められていた。結論としては、地層が持つ物質を閉じ込める能力と人工的なバリアにより、安全に処分される技術が確立されていることを確認した。
東海第二発電所関係者との意見交換においては、視察内容だけでなく、日本原子力発電㈱が実施している東海発電所の廃炉技術等についても質疑が交わされるなど、活発な意見交換がなされた。
今回の研修で学んだ内容については、今後の産業政策並びに原子力理解活動等に活かしていきたい。