厳しい時代に打ち克つ 「リーダーの決断力」と「企業発展の経営力」! 総連役員フォーラム開催
【作成日:2020年12月21日】
九州電力総連は12月18日(金)に2020年度総連役員フォーラムを開催しました。 本年のフォーラムは、例年のユニティーホールから会場を「天神スカイホール」に変更し、加盟単組・県電力総連・企業側代表者、総勢192名の参加で開催しております。
冒頭、主催者代表挨拶では林会長より、今後の諸活動に於いても引き続きコロナ対策に万全を期しつつ産別機能を果たしていく、2021春闘については、コロナ禍は経済社会にも大きな打撃をもたらしているが、組合員さんの貢献努力に報いるためにも積極果敢に挑んで行かなければならない。また、電力関連産業における労働災害が多発傾向にあり、大変憂慮している「安全は何より優先する」の徹底を今一度労使で確認をして頂きたいと挨拶を受け講演に入りました。
第一部 テーマ「新型コロナに打ち克つ危機管理の要諦」 東洋学園大学客員教授
織田(おりた)邦男 様
新型コロナウイルスの第3波により感染者が各地で増加し、電力関連産業においても若干の感染者が確認されています。私たちの諸活動に於いては感染予防に留意しつつ、コロナ対策に万全を期して活動を進めて行かなければならないのため、この危機に打ち勝つ「危機管理の要諦」を学ぶべく、元空将である織田教授に講演をいただきました。
危機管理で重要なことは「危機的な状況を作らない事」「英雄はいらない(危機を未然に防止する者は英雄になれない)」危機管理の大原則は「最悪に備える」「想定外を想定する」「次善に甘んじる」と教えを受けました。批判を甘受する覚悟で、最悪を想定して準備・行動をする事。「想定をしなかったは失格である」安全対策には限界がある、被害発生を前提に防災から減災へシフトする事、成功体験の棄却が重要であるとの事でした。
また、危機に強い組織を作るには、前例のない危機に日本の組織は弱いため、組織として学習し、組織全員が危機管理の原則を熟知することが必要であり、現場への適切な権限委任をし、管理者は「現場を信頼、行動を許容する度量」「責任を取る覚悟」が必要、思考トレーニングをし、現状の問題点把握を行っていく事が重要であると述べられました。危機管理に最も重要なのはリーダーの決断力、迅速な決断であるとのことです。 危機は起こりえるものであるとの認識のもと、危機に備えた準備・対策を日頃から実施しなければと実感しました。
第二部 テーマ「日本企業と日本のこれから』
日立製作所名誉会長、東京電力ホールディングス元会長 川村 隆 様
日立製作所は1990年代後半から複数回、最終赤字に転落、健全財務も2009年には自己資本比率11%にまで低下。川村様は、日立製作所が7873億円の最終赤字を出した直後の2009年、執行役会長兼社長に就任し、日立再生の陣頭指揮をされ、“沈みかけた巨艦”を再浮上へ導きました。
このタフな試練を経験し、くぐり抜けてきた川村様に「日本企業と日本のこれから」のテーマで、戦後の日本の成長・経済力・企業の存在意義・軌跡・現在の日本についてなど、ご講演をいただきました。企業の発展には、短期的な結果志向のアクティビスト・物言う株主には負けるな、歴史ある企業でも将来に亘っての存続は保証されないため、平時でも企業改革を行う事、両利きの経営が必要と述べられ、新規事業の「探索」と既存事業の「深化」による安定した収益の確保を目指した二兎を追う経営が必要とのことです。
現在、九州電力グループでも収益拡大として新規事業にも力を入れており、今回の講演内容をヒントに取り組みを進めて行かなければと実感させられました。