エネルギー研修会開催
【作成日:2013年05月23日】
九州電力総連は、隔年で行っている海外での研修として、台湾電力労働組合の協力の下、台湾における原子力を含めたエネルギー政策と電力会社を取り巻く状況について学習することを目的に、5月23日(木)~25日(土)にかけて田中賢一団長(九州総連副会長、九電ユニオン副委員長)以下、10単組14名の参加の下、エネルギー研修会を開催しました。
1.台湾電力公司(電力会社)を訪問。 ≪主な内容≫ ①台湾電力は7年連続の赤字経営であり、従業員の賞与も下げてきた。昨年5月に10%の電気料金値上げを行い、さらに今年10月にも約10%の値上げ申請を行って、従業員の賞与の回復を含めた処遇改善に充てる。 ②第四原子力発電所建設を巡ってマスコミや芸能人が活発に反対運動を行っている。その影響もあって、国民の原子力反対の声が高まってきている。
2.台湾電力工会(労働組合)を訪問。 ≪主な内容≫ ①原子力反対運動に対する労働組合の取り組みとして、社内教育をしっかりと行って、組合員一人一人が原子力への理解活動を進めていく。 ②秋以降、日本の原子力発電所が再稼働していくようであれば、年末の第四原子力発電所建設の是非を問う国民投票にも大きな影響があると考える。
3.運転中の第二原子力発電所の視察。 各自線量計を胸に付けて原子炉建屋内を視察。その後、原子力展示館に場所を移し、発電所の概要・放射性廃棄物の処理方法・福島第一原子力発電所の事故を受けた対策等についてパワーポイントによる説明を受け意見交換を行いました。 ≪主な内容≫緊急時対応訓練については2か月に一回定期的に行うほか、国の検査等に合わせて臨時的に訓練(3か月に一回程度)をしている。
4.台湾電力 台北供電区運営所を訪問。 台北市内の電力供給システムについて説明を受け、意見交換を行いました。 ≪主な内容≫ ①一人前の系統運用オペレーターになるのには、入社後2年間かけて様々な部署で経験を積み、その後2~3年かけてオペレーターとしての技量を磨くので4~5年は必要。 ②労働災害については、毎年2件程度発生している。墜落や感電災害防止のため、基本ルールの遵守に取り組んでいる。
今回のエネルギー研修会では、原子力を取り巻く状況について、日本と台湾が非常によく似た環境にあることおよび、日本の情勢が台湾に大きな影響を与えることを肌で感じる研修となった。 引き続き、同じ電力関連産業で働く仲間として、今後も台湾電力工会との交流および情報交換を行い、お互いに良い影響を与え合う関係を築いていきたい。